認知症の人に寄り添うあなたへ
認知症当事者 丹野智文さんからのメッセージ
認知症と診断されると変わってしまうのは当事者よりも家族なのです。
心配から財布を取り上げたり、携帯電話を取り上げたり、1人で出かけるのを禁止されたら当事者はすべてをあきらめてしまい、すぐに鬱になります。家族に申し訳ない、心配させたくないという気持ちから嫌とは言えないのです。
そして失敗させないようにと先回りの行動をする人達が多くいます。そうすると家族がいないと不安になる依存を作り上げます。
鬱と依存は防げます。
症状は工夫することを一緒に考えて下さい。
今までの生活を続けて行くことが進行を遅くなることを知ってもらいたいです。家族だけで支えず、当事者や家族の出会いの場に早めに参加することをおすすめします。
丹野 智文
おれんじドア代表 丹野智文氏
おれんじドア-ご本人のためのもの忘れ総合相談窓口
https://miyagininntishou.jimdofree.com/
認知症専門医 松村 美由起先生からのメッセージ
あなたは大切な人の変化に戸惑い、心細くなっていませんか?
初めてのことばかりなのですから当たり前です。一人で悩まないで窓口や専門の医師をお訪ね下さい。豊富な情報や経験は、あなたの強い味方になるでしょう。
あなたと同じ様に認知症の人も自身の変化に悩んでいます。もし自分が認知症になったらと考え、認知症の人の気持ちを想像してみてください。認知症の人の苦しみの一部を共感することができるかもしれません。
認知症の人の思いに心を寄せ、認知症の人と一緒にこれからの生活について話し合うことができれば、認知症の人もあなたも今よりずっと楽になるはずです。
私達はそのお手伝いをします。一緒に考えてゆきましょう。
松村 美由起
東京女子医科大学附属成人医学センター副所長 脳神経内科
東京都地域連携型認知症疾患医療センター長